子育てのイライラは心療内科で治せるのか?

子育てのイライラに、心療内科は使えるのか?という疑問を調べてみました。そもそも、心療内科とは何なのか?調べてみると、感情と身体の繋がりには意外な盲点があることが分かりました。子育てのイライラが身体に与える影響とは?また、心療内科に期待できることとは?

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心療内科とは?

心療内科という言葉は聞いたことがあっても、実際その内容をちゃんと把握している人は少ないのではないでしょうか。私も今回調べてみるまでは、心療内科というものをよく分かっていませんでした。なんとなく、「心を扱うお医者さん?」というイメージでした。では、実際のところ、心療内科とはどんな所で、どういう症状を扱う医療なのでしょうか。

対象とする症状は心身症

意外だったのは、心療内科が主に扱う症状が、「心身症」だったということです。心身症とは、いわば「心のストレスにより身体に支障をきたすこと」です。人間の心と体は密接につながっているので、心にストレスをためると体にも影響することが知られています。

しかしこの心身症とは、基本的には「からだの病気」だとされています。ただ、その体の症状の原因が「心理的なもの」や「その人を取り巻く環境」から来ているので、心理的な治療も行われるのですが、平行して体の治療も行われます。

私たちでも聞いたことがあるような心身症としては、胃潰瘍や胃炎、過呼吸、過食症や拒食症などがありますね。

どのような症状なら受診すべきか?

心のストレスは、体の内部や外部、人によってさまざまな場所に現れます。通常、体に不調が現れた場合、人はその症状にばかり目がいきがちで、心のストレスによる発症だとは分かりづらいものです。しかし症状に合わせて各科で検査したり、専門的な治療をしても効果がない場合は、その体の症状が心のストレスによって発症している可能性があります。

体に症状が出た場合、一度専門家で検査をしてみて、もし体に異常がない場合は心療内科で受診されることがおすすめです。

どんな治療をするの?

心身症とは心のストレスが体に影響したものなので、心療内科では「心と体と、患者を取り巻く環境もすべてを統合的に考えて」治療を行っていくのだそうです。

心療内科では、体の症状に対する治療と同時に、主にカウンセリングという形でストレスへの対処法を患者と一緒に考えていきます。

患者本人が気付いていないストレスというものもあり、それが心身症の原因になっていることもあるのだそうです。

そういったストレスの原因や隠れていた問題を見つけ出し、時間をかけて少しずつ治療をすすめていくことで効果を出していきます。

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精神科と心療内科はなにがちがうの?

では、心療内科と精神科のちがいは何でしょうか?

上記での説明で、心療内科は主に「心身症」を扱うところだということが分かりました。

では、精神科はどういった症状を扱うところなのでしょうか?

その主なものとは、抑うつ、不安、恐怖、イライラ、ヒステリーなどの「心の状態」です。

心療内科は、基本的には「からだの病気」を治療することが目的です。精神科は「心の状態」を中心に考えます。

どちらも原因として「心のストレス」が大きく関わっているので、少し違いが分かりにくい部分があります。

要は、心理的ストレスが身体に出た場合が心身症であり、心理的ストレスが心の状態に影響を与えた場合が精神疾患ということです。

従って、心身症は心の病気ではなく、身体の病気ということです。心理的な緊張が身体機能に影響したことで、それが身体症状として現れているだけです。

私たちは、日常で自分が今感じているストレスや緊張の度合いを、体温計で測るように知ることはできません。

私もストレスに対して自覚症状を感じにくいため、身体に症状が出てからやっと気付くということが多々あります。

その恥ずかしいエピソードを披露しますと、例えば、職場の新人研修に行ったときは、よほど緊張していたのか、途中で気分が悪くなって吐き気やめまいがして研修を早引きしたのですが、帰宅する頃にはすっかり治ってしまいました。

他にも、自分では大したストレスだと気付かずに学生生活をエンジョイしていたはずが、突然過呼吸になってしまった上に、1カ月も熱で倒れこんでしまったこともあります。心配した家族に連れられて病院で血液検査を受けたところ、「異常なし。ストレスですね」と言われて一番驚いたのは私でした。

その他にも、痛々しい話を聞くととたんに呼吸が苦しくなったり、心配事があると食事がのどを通らなくなったり、ストレスで肌が異常に荒れたこともありました。

そのほとんどが、自分ではさほどストレスだと分かっていない場合が多かったんですね。

これはまさに心身症の表れなのではないでしょうか(笑)

私にはそういうところがあるんだと分かってからは、自分のストレス度合いを身体を通して知るようになり、酷くなる前に上手にストレスを逃がす方法を身につけていきました。

それに対して精神科でみる必要のある精神疾患というのは、抑うつや恐怖症など「心の問題」なのです。

また、精神科の症状であっても、体に症状が出ることもあります。自分の症状に対して、精神科と心療内科のどちらが適切かという判断がつきにくい場合は、電話で症状を伝えて聞いてみるのがいいでしょう。

心身症についてもっと知ろう

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「身体の病気の50%はこころに起因する」と言ったのは、アメリカの医師であるシンドラー博士です。

身体症状を伴う代表的なストレス疾患は、めまいや腰痛、偏頭痛、円形脱毛症など有名なものがありますが、実はそういった代表的な症状は一部にすぎず、心因性のからだの症状を挙げればキリがありません。心のストレスが身体のどの部分に出るかは人によって違います。

なぜ、これほどまでに、心のストレスが身体に影響を及ぼしてしまうのでしょうか。

それは、私たちの感情が、必ず何らかの身体的変化を起こすものだからです。

身体的変化を起こさない感情はないと言われています。

私たちは常に何らかの感情を抱いていますが、そのひとつひとつの感情に伴って、内臓や血液や筋肉などに変化が生じています。

それは、目に見えるようなものもあれば、目に見えないようなものもあります。

例えば、人が激怒している場合は、分かりやすく身体に変化が起こります。顔が赤くなる、目が血走る、肩がわなわなと震える、頬が引きつって硬くなる、拳を握りしめる、血管が浮き出る、声が震えるなどです。

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こういった身体の変化は、その状態を見ればすぐにその人が怒っていることが分かります。

一方で、目には見えない身体の内部でも同じように変化が生じています。

人は怒りを感じると、血液は凝固しやすくなります。これは生物学的に意味のあることで、動物は怒ると攻撃的になりやすくなるので、その際に傷を負って出血したとしても、すぐに血液が凝固することで命の危険を防ぐためです。

さらに、血球数が増加え、同時に消化管の血液量が減ります。これらも、生物学的に重要な意味があります。

また、心拍数が上がり、血圧も急激に上がるため、脳出血で倒れることがあるのもご存知の方が多いと思います。

その他にも、心臓発作や狭心症などを引き起こすこともあります。

様々な感情の中でも、大きな怒りは身体の内部、外部にさまざまな変化をもたらします。

そして、怒りという感情だけでなく、あらゆる感情が、身体に何らかの影響をもたらすと言われています。

例えば、血を見ると気絶する人がたまにいます。

それは、その人の心臓が弱いせいでも、高血圧だからでもありません。血を見ることで、「恐れ」という感情が起こるからです。

恐怖心は、脳につながる血管の血流量に影響を与えることがあるので、それで気絶してしまうのです。

血を見ておう吐する場合も同じで、何も胃が悪いわけではなくて、不快感という感情が原因です。不快感は、胃の収縮を伴うことがあるため、それがひどいと吐いてしまうのです。

ということは、今まで「嫌な気分になったから、その気分のせいで体調が悪いと感じるんだ」「気のせいなんだ」と思っていたことが、実は本当に気分によって身体の内部に影響があり、身体自体が不調になっていたんだということです。

私は、友人から痛々しい話を聞いたり、病院から治療の説明などを聞くとき、度々気分が悪くなります。時には座っていることも辛いくらいめまいがしたり、吐き気を感じることもあります。そのたびに、自分が全くの健康体でありながら話を聞くだけでこんなに体調が悪くなるなんて、なんて私は気が弱いんだろうと自分を情けなく思っていました。

しかし、おそらく話を聞いた時に抱いた不快感や恐怖心が、私に何らかの身体的な変化を与えていたのかもしれません。つまり、私が気が弱いのはその通りかもしれませんが、「めまいや吐き気は気分だけのせいではなかった」ということです。

シンドラー博士の『「こころ」と「身体」の法則』という本の中には、身体の病気の原因がじつは心因性のものだったという患者さんの例がたくさん紹介されています。

私が学生時代にかかった過呼吸(過換気症候群)のことも書いてあり、その症状はぴったりと当てはまっていました。ずいぶんと昔のことですが、あの頃苦しい思いをしたことはよく覚えています。こころが乱れたり、日常の中で何か問題を抱えている場合に発症することが多いようです。確かに、あの頃は初めてのことに心が落ち着かず、問題も抱えていました。一ヶ月熱が下がらずに連れていかれた病院で、「ストレスですね」という診断。改めて、私たちの身体とこころが繋がっていることを考えさせられます。

前向きな感情の驚くべき力

Young pretty woman lying on the grass at summer sunset

私たちのイライラや怒り、不安、恐怖心といった感情が、身体に大きな影響を与えることは分かりました。

では反対に、私たちにとって心地良い感情は、身体にどういった影響を与えるのでしょうか。

すべての感情が身体に変化をもたらすのであれば、当然心地良い感情にも大きな影響力があります。

脳科学者で、オックスフォード大学の教授であるエレーヌ・フォックスは「楽観的というだけで10年も寿命が伸びる」と言っています。それほどに感情は私たちの身体に影響するのです。

たとえば私たちの意識は、からだの最適なホルモンバランスの秘密を知りませんが、からだはそれを知っています。わたしたちは意識を働かせてそのバランスを作り出すことはできません。しかし、「心地良く明るい感情」によってそのバランスを刺激することはできるのです。

自分にとって快い感情には、次のような働きがあります。

第一に、ストレスの原因となっている不快な感情を取り除いてくれる。

第二に、脳下垂体という脳の一部を刺激することで、最適な内分泌機能の働きを実現し、自己治癒力も高めてくれる。

私は、「日頃から意識的に気分の良い状態を自分でつくる」ことが大切だということを感じていましたが、実際に身体にも大きな影響があることを知り、ますます心地良い感情の大切さを考えさせられました。

シンドラー博士はこう言います。

「健康な暮らしのためには、なんといってもまず望ましい心理状態を保つことが大切です。人は、高い知能を持ちながら、とてもまずい感情を持つこともあります。どちらか一方を取るとしたら、知力よりも好ましい感情を選んだほうが人生は幸福なものになるはずです。」

現代人がストレスに弱いのはなぜか

私たちは、気を抜けばいつの間にか望ましくない感情を抱いてしまうことが多々あります。

それは何故なのでしょうか?

私たちが生きる現代は、「ストレス社会」と言われていますが、一方、心理的ストレスという面でみると、これまでの時代に比べてそんなに違いがあるのでしょうか。

実はそんなことはなく、むしろ現代ほど多くの人たちが衣食住も満ち足りて、安心して暮らせる時代はなかったとも言えます。

昔は不治の病だったものが、医療の発展のおかげで今では治すことができますし、物質的にもとても豊かに便利になりました。

そういう面からみると、心理的ストレスはむしろもっとも少ない時代なのではないでしょうか。

しかし、様々なものが一気に発展し、情報社会となり、ストレスというものに対して私たちがとても敏感になってきたともいえます。

普通に考えると、問題が山積みの人生=ストレスいっぱいの人生=身体を悪くする と考えられると思います。そして、問題が少ない人生=ストレスも少ない=健康 となると思います。

しかし、実際にストレスで身体を悪くする人たちは、必ずしも問題を沢山抱えているわけではありません。

小さな気がかりひとつで、身体に支障をきたすほどストレスを抱える人もいます。

なぜ、そんなことになるのか?

そのことについて、シンドラー博士は、「それは、ごく普通の日常生活の中で好ましい健康的なこころの状態を保つことを学んでこなかったからです。」と言っています。

私たちの人生には、誰にでも様々な問題や困難が訪れます。友人との喧嘩、失恋、家族の心配事、金銭的な心配事、肉親の死…それは、生きていれば誰にでもやってくるような、いわば日常的なことです。

しかし私たちは、こうした一つひとつのことに、酷く落胆したり、傷ついたり、こころのバランスを失ってしまったりします。

それは、当然のことと言えば当然のことのように思いますが、そうしたストレスによって、人生を台無しにし兼ねないほど心身共にダメージを受けることもあるのです。

こうした日常に起こりえる出来事に対して、私たちが自らこころのバランスを保つことを学んだら、どうなるでしょうか。

人生のさまざまな場面で適切に対応することを身につけ、困難な状況に対して、好ましい感情で対処できるようになったら…

シンドラー博士の言う、「幸福な人生」を送れるのではないでしょうか。

こころのバランスを実現する方法

リラックス女の子

では、どうしたらストレスに負けない心をもてるのでしょうか。

それには、自分でこころのバランスを保つように訓練することが必要となります。

訓練というと何かとても厳しいようなイメージがありますが、日常から意識することでできることばかりです。

ここでは、シンドラー博士の提案をご紹介しましょう。

意識的に思考をコントロールする

思考をコントロールするとはつまり、自分が今何を考えているかに注意を払い、何を考えるべきかを意識するということです。

ストレスを生みそうな感情に気付いたら、すぐに意識的に軌道修正をして、好ましい感情が出てきやすい考え方へと変えます。

思考は、同時に二つのことを考えられないので、一つの(好ましい)考えに意識を集中すれば、思考を切り替えることができます。

セルフコントロール

この言葉を聞いて、とても心に響きました。「いつでも落ち着いた、明るい考え方や態度をとろう。 今、この瞬間も。

「今、この瞬間も」というところが、特に大切です。

人は、良い話を聞いたり、大切だなぁと思うことがあっても、それはいつかの未来にやるものだと思ってしまいます。

しかし、「今、この瞬間」にしか人生はありません。「今、この瞬間」が明日につながり、未来をつくっていきます。

そして、「今、この瞬間」にできないことは、きっといつまで経ってもできないでしょう。

だからこそ、「いつでも落ち着いた、明るい考え方や態度をとろう。 今、この瞬間も。」

困難にぶつかる度に、望ましくない感情を抱いてしまったときに、何度も何度も繰り返してみる。

シンドラー博士は、次のことをこころに留めて自分に言い聞かせ、忘れないようにこころがけることが大切だと言います。

・落ち着き—–「平常心でいこう」

・謙虚さ——-「この逆境を潔く受け入れよう」

・勇気———「だいじょうぶ、まだまだいける」

・決意———「この敗北も勝利に変えてやろう」

・明るさ——-「確かにやられた。でも終わりじゃない」

・快活さ——-「それでも善意と誠意を大切にしよう」

そして、本の中では、これらを実践した素晴らしい人物のことも紹介されています。

彼の心境、生き方を思うと、いかに「明るく前向きに生きようとする態度」が尊く、素晴らしいものかを感じます。

謙虚な気持ち、人々への思いやり、強い心がなければ決して出来ないことだと思います。

気分を変える

私たちは、何かに不満を抱くとイライラします。こんなに色んなものが、当たり前のような顔をして整っている時代です。すると私たちはその環境に慣れてしまい、足りないものが目に入ると、不足感が募ってイライラします。

しかし、足りているものを見ることが出来れば、気分は良くなります。何を見るかによって、そこに伴う気分は簡単に変えることができるんです。

今や、日常生活の中に不足している事よりも、足りているものの方がよほど多いはずです。

今まで自分をイライラさせてしまっていた視点を変え、そこから発生する気分や感情を変えることができれば精神的にも安定し、健康的で気分の良い日々を過ごせるようになるのではないでしょうか。

健康的な人生を送るために

父と子2

今回は、「子育てのイライラ」と「心療内科」の関係について書いてみましたが、その結果、こころが身体に与える影響の大きさを知ることができました。

思えば、会社に行くのが嫌で、出勤前になると腹痛がひどかったという話や、仕事のストレスで体調を壊し、一ヶ月寝込んでしまったという話はごく身近な世間話として聞くことができます。

心身症は、珍しいものでも特別なものでもなく、とても身近なものだと感じます。

「身体の病気の50%はこころに起因する」という言葉のとおり、私たちが抱える体調不良の多くはもしかすると、心理的なストレスによるものなのかもしれません。

そんな中、今私たちに出来ることは、ストレスに負けない柔軟な対応をもつことではないでしょうか。

私たちは多くの人と支え合って生きていますが、自分の心の在り方だけは、自分でしか変えていくことができません。

人生に起こりうる困難を思うと、確かに不安になります。しかし、起きるか起きないか分からないものに対して不安を抱くことは、「今、この瞬間」の幸福を台無しにしてしまいます。

確かに、生きていれば何かしらの困難や逆境に出会うでしょう。

だからこそ、その時のために出来ることは、そういった困難に対して、心の柔軟さや好ましい心のバランスがいつ何時でもとれるよう、日頃から自分自身を訓練しておくことではないでしょうか。

ただ困難に押しつぶされたり、逆境に不満をもらして辛く苦しい人生を過ごすのか。

それとも、「いつでも落ち着いた、明るい考え方や態度をとろう。 今、この瞬間も。」と決意するのか。

残された人生の時間を、これから私たちはどういう態度で生きていくべきなのか。また、次の世代にどういった生き方を示していくべきなのかを考えさせられます。

さっそく、今日からこのことを心にとめて、日々の生活を送りたいと思います。

「いつでも落ち着いた、明るい考え方や態度をとろう。 今、この瞬間も。」

※今回参考にさせていただいた本は残念ならが在庫が切れてしまっているようです。代わりに、脳科学者であるエレーヌ・フォックスさんの「脳科学は人格を変えられるか?」をご紹介したいと思います。
脳科学は人格を変えられるか? [ エレーヌ・フォックス ]

 

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