疲れた…5歳の子育て 対応まとめ
5歳の子育てに疲れた。5歳になったら楽になるって思っていたのに…。そんなお母さんが沢山おられますね。何歳になっても、子育てとは大変なもの。では子どもが5歳のとき、どのように対応していけばいいのか。5歳の子育てに疲れてしまった時、どのような心構えで乗り切ればいいのかをまとめてみました。
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5歳の子どもは、どんなことが大変?
5歳にもなると、もう会話もしっかりしてきますね。それゆえに、言葉遣いが気になることもあります。
機嫌が悪い時、「どうしたの?」と聞いても、「うるさい!」なんて言ってきたり、「その話やめて!」って怒ったり。会話としては通じても、心が見えない…ということもあるかと思います。
「ママなんか嫌い!」とか、「あっち行け!」なんて発言があると、「ぐさっ!」ときます。また中には、親の言動の上げ足をとってきたり、わざと嫌なことを言ってくることも。
特に女の子の場合だと、口が達者になるので自分の言い分もしっかり主張してきますね。「だってそれは○○だから」や、「だったら○○しなきゃいいんでしょ!」なんて、しっかり言い合いが出来てしまうレベルです。そんなとき、「生意気なことを言って!」や、「またそんなこと言って!」と、つい感情的に対応したくなる気持ちも分かります。
また、男の子の場合なら、感情的に怒鳴ってきたり、力任せに叩いてきたりすることもあります。
イヤイヤ期ではなくても、反抗的な態度が続く場合もあるでしょう。「5歳の反抗期」という言葉もあるみたいですね。
また、力も強くなってくるので、叩かれたり、暴れられると大人であっても対応するのが大変です。
そんな子どもの態度に、どう手をつけたらいいのか分からずに心が折れてしまいそうになることもうなずけます。
5歳というと、そろそろ落ち着いてきてもいいんじゃないかと思う一方で、毎日怒ってばかりの自分が辛くなってしまう。
では、そんな子どもに対してどういう対応をとればいいんでしょうか。
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5歳の子育て 接し方・対応
では、5歳の子どもに対して、親はどういう対応をとればいいのでしょうか。
否定だけではなく教えてあげる
「椅子の上で飛び跳ねてはダメ!」と言っても聞かない時は、「椅子から落ちると怪我をして痛いよ。怪我して痛いのはお母さんじゃなくてあなただよ。」という風に、ある程度予想されるであろうことを教えてあげつつ、やめてほしいことから子どもを遠ざけるのもひとつです。
もしくは、「椅子は座るためのものだから、ちゃんと座ってあげてね」と、表現を変えてみてもいいかもしれません。
ただ「ダメ!」と言われてもかえって子どもは反発してやりたくなるものです。「困るのはお母さんじゃなくて、あなたなんだよ」などと理由を伝えることで、少しは子どもが受け取るニュアンスが変わります。
あえて反対のことを提案してみる
反抗している子どもは、常に親の言うことの反対を主張する傾向があります。
それを見越して、こちらが最初からあえて反対のことを提案してみるのも面白いです。
たとえば、「今日はもうご飯食べないよね?」とか「お着替えしないよね?」という感じです。
すると子どもは「ううん、食べるよ」「ううん、着替える」などと反抗してくるのですが、こちらとしては結果オーライです。
叱るときは、行為を叱る
子どもは、あまりに叱られ続けていると、そのうち「自分そのものが叱られている」と感じてしまいます。
叱るべきときはしっかりと叱る必要がありますが、「何に対して叱っているのか」を明確に伝えることが大切です。
そこを明確にせずに、「そんなことをして!あなたはダメな子!」というようなニュアンスになってしまうと、その子は「行為」ではなく「自分の存在」が否定されているように感じてしまいます。
そうなると、愛されている実感が持てずに自己肯定感をもてなくなってしまうので、叱るときは「何がダメだったのか」を指摘して叱るようにすることが大切なんですね。
そして、あまりに強く叱りすぎた時は、「だけど、あなたのことは愛しているんだよ」という気持ちを伝えてあげてください。
叱った後に、しばらく抱きしめてあげるのもいいと思います。
“甘えを受け入れる”のと、“甘やかし”を区別していく
「無条件に子どもをかわいがる」という言葉には、賛否両論がありそうですね。それは、「子どもを甘やかすことにならないだろうか?」という心配があるからだと思います。
では、上手に子どもの甘えを受け入れながらも、子どもを甘やかしすぎないためには、どうしたらいいのでしょうか。
子どもは幼児期になると、どんどん親から離れて一人遊びをしたり、友達と遊んだり、保育園や幼稚園に行ったりします。
しかし親から離れることは増えてきても、子どもはまだ自分で自分の安心感をつくることがきないので、不安になればそのつど親のところに行っては、安心感を与えてもらったり、不安を和らげようとします。
この、安心感を与えてもらいたい、不安を和らげてもらいたいという気持ちを受け入れることは、甘やかしではありません。
安心感がなければ、子どもは自立へと進んでいくことができません。なので、そういった子どもの柔らかな心を親がしっかりと受け止めてあげる必要があります。
心の支えが「受け入れ」なのに対して、「甘やかし」というのは、何でもかんでも子どもに代わって親がやってやることです。
子どもが自分でしなければならないことなのに、それを親がやってしまうと、それは甘やかしになってしまいます。
何でもかんでも親がやってくれれば子どもは楽ですが、自分でやって、自分で失敗して、自分で乗り越えていくという成長ができなくなってしまいます。
甘えを受け入れながらも、甘やかさないということを具体的に言うと、行動は子どもにさせる(自分のことは自分でやらせる、自分の失敗は自分で始末させる)。
その上で、子どものありのままの心を全て受け止めてやる(自信が持てないときは「あなたならできる!」と励ましてあげる、失敗したら「失敗してもいいんだよ」と勇気を与えてあげる)
人生の先輩として、子どもの成長を見守る親として、厳しく優しい目を持つ、ということなんですね。
人に迷惑になること以外は大目にみる
たとえば、子どもがちゃんとご飯を食べずにふざけている、洋服をちゃんと着ないなど、本来なら「ちゃんとしなさい!」と言いたいことでも、「特に問題ない」としてしまうのも一つです。
食べたくないのなら食べなければいい。着たくないのなら着なければいい。という風に、人に迷惑をかけない程度のことであれば問題視しないのも一つです。
その結果子どもはお腹が空いたり、寒かったりして困るでしょうけど、人には迷惑をかけていないので大したことではありませんよね。
そうした行動は、自分が困るだけだと分かってもらうことも大切なことです。
そういった経験を子ども自身にしてもらって、次はどうしていくのかを観察してみましょう。
「こうしなさい!」ではなく、「どうするの?」という自由を与えてみると、案外まともな選択をするかもしれません(笑)
そうでなくても、「まぁいっか、別に人に迷惑かけてるわけじゃないか」と、大きな心で受け止めると、親自身も楽になれます。
子どもの乱暴な言葉遣いに対して
子どもの乱暴な言葉遣いの理由は、いろいろあると思います。
そこで、ここでは代表的なものを見てみたいと思います。
◆ 心の不安から来るもの
子どもが大声で話しているときは、何か不安を解消するために主張しようとしているときが多いようです。
暴言というよりは、「くだらない!」とか「つまらない!」などというものです。
そんな時は、なぜそう思うのか、優しく聞いてあげて、その言葉の裏に隠されている不安を解消してあげるといいみたいですね。
大抵の場合は、「上手くできるか分からなくて不安」という気持ちが隠れていることが多いんですね。
◆ 人のマネをしている
親としては、突然子どもの言葉遣いが悪くなったら、心配になりますよね。
育て方に問題があったんじゃないだろうか、何かのSOSじゃないだろうかと不安になります。
しかも、それに対してどう対処すれば良いのかわからないという戸惑いもあります。
子どもがそういった新しい言葉を使うのは、すべて人のマネから始まります。
親、兄弟、友達、先生、テレビ番組などから新しい言葉を覚えて、それを使います。
子どもにしてみれば、新しい言葉を覚えるのは嬉しく楽しいものなんですね。覚えたら、今度は使ってみたくなるのは自然なこと。
私は幼い頃、幼稚園で耳にした「はら減った」という言葉を帰ってきて早速使ってみました。
お腹が空いたので、「はら減ったぁ」と言ったのです。すると母親に、「そんなことを言ってはいけません!」と言われてびっくりしたという記憶があります。
なぜびっくりしたのかと言うと、「私はお腹を減らしてはいけないんだ」と受け取ったからです。
もちろん母親は、「そんな言葉遣いはしてほしくない」という思いだったのですが、私としては言葉遣いの良し悪しなんて知る由もありませんから、「私がお腹をすかすことはイケないことなのか??」と驚いたわけです(笑)
このように、子どもはまだ言葉の意味や重みをしっかり理解できていないまま、興味本位で使い始めます。
子どもは親の会話を理解していますし、子ども自身おしゃべりが上手になってきているので、一見意味が分かってその言葉を使っているように感じますが、子どもが使う言葉というのはまだまだとても表面的で未熟なものです。
もちろん、その言葉の持つ意味は分かっているでしょうが、その言葉が持つ重みや、人に与える影響がまだ十分には分からないので、「そんなこと言うと怒るよ!」「そんな言い方したら嫌いになるよ!」と頭ごなしに叱りつけても、言葉の経験が浅い子どもには理解しきれないのです。
そこで、叱る代わりに、その言葉がどのような意味をもつものなのか、それを受け取った側は、どういう気持ちになるのかを丁寧に教えてあげることが大切です。
子どもに、「お母さんなんて、嫌い!」と言われたら、カッとなって「お母さんも嫌い!」と言うのではなく…
「そっかぁ…、『○○はお母さんのこと、嫌い』かぁ…」と、叱ったり否定したりせずに、そのまま受け止めて見せます。
そして、「あなたに『嫌い!』って言われると、お母さんとっても悲しいなぁ」と伝えて、「嫌い」という言葉が人を傷つけるということを経験を通じて学ばせてあげます。
そうすることで、子どもは「嫌い!」という言葉を使うことがどういうことなのかを、自分自身で感じていくことができます。
そして続けて、「もし何か嫌なことがあったのなら、何がどう嫌だったか、言っても良いからね」と伝えます。
このように、人とのコミュニケーションの取り方や言葉の使い方が学べるように働きかけてあげることで、子どもは自然と穏やかで適切な言葉遣いを学んでいくことができます。
子どもの言葉は、「重みを知らない、人に与える影響の大きさが分かっていないもの」と認識して、幼いうちに言葉の大切さを教えてあげればいいんです。
それに、子どもの「嫌い!」は「好き!」ということです。「バカ!」は「悲しい!」。「やめて!」は「やらせて!」。生れてまだ5年です。言葉遣いがまだ上手に出来ないだけなんですね。
◆ ストレスを発散している
子どもが乱暴な言葉を使うばあいに、心に溜まった「ストレスを発散している」ことがあります。
例えば、親から離れた後、幼稚園ですごくがんばった。イヤなことや腹の立つできごとがあった。不安や不快感を一生懸命こらえた。
このような場合、子どもの心にはストレスがかかっています。そんな時、親と再会することで緊張感がとけ、溜まったストレスや疲れを発散させるために態度が悪くなることがあります。
子どもは、まだ自分のストレスの上手な発散方法が分からないので、自分の中に溜まったイライラや緊張を、親にぶつけてきます。
これは、まだ幼いので仕方のないことです。しっかりと受けとめてあげましょう。
ここで乱暴な言葉遣いを責めたり、抑え込もうとすると、ストレスや疲れのはけ口が別の場所で爆発するだけのこと。
それならまだいいのですが、最悪の場合は、発散されることなく子どもの中に蓄積されてしまうこともあります。
生れてまだ5年。それでも子どもはちゃんと外の社会では我慢することを覚え出します。そして、その小さな心のストレスを、甘えられる相手だけにぶつけてバランスをとっているんですね。
そんな時に、頭ごなしに「それは悪い言葉だよ!」「そんな言葉使う子は嫌いだよ!」と否定してしまうと、子どもは逃げ場や学び場を失ってしまいます。
なので、子どもがストレスの発散で乱暴な言葉を使ってきたときは、その言葉を否定するのではなく、子どもが抱えているストレスや疲れの方を癒してあげること。
具体的には、言葉の裏にある気持ちを読み取ってあげる → 子どもの気持ちを代弁してあげる → 共感してあげる、認めてあげる。という感じです。
そして子どもが落ち着きを取り戻したら、「さっきの言葉遣いは、お母さん少し悲しかったな。」と教えてあげます。しっかりと心が癒された後の子どもになら、お母さんの言葉が届くことでしょう。
穏やかな対応ができないとき
ここまで5歳の子どもに対する対応を見てもらいました。
だけど、こう思った方もおられるんではないでしょうか。
「いやいや、親だって人間だから、疲れもするし腹も立つ。そんな時に、こんな対応をする余裕はないよぉ~」と。
そうなんです。これが簡単にできるなら、そもそも誰も悩んでいないはずなんですね。
もちろん、単にどう対処していいか分からなかったから、分かってしまえば出来る!という人もいるでしょう。
だけど、必要な対応が分かってもなかなか実践できないという方も多いんじゃないでしょうか。
こんな時はこうしてあげないとなぁってことは分かっている。忍耐強く付き合ってやらないと、何度も優しく伝えてあげないとってことは、分かっている。
だけど自分の気持ちを押しこらえて頑張っていても、子どものわがままが改善されなかったり、頑張っても頑張っても同じ注意を繰り返しているだけだったら…。
心、折れますよね。
じゃあ、どうすればいいのか。
そんなとき、大切にしたいのは、お母さん自身の気分を良くしていくことなんですね。
なぜなら、5歳の子どもに根気よく付き合うには、もしくは心に余裕をもって見守るには、それに耐えられるだけのお母さんの「心の安定」が必要になってくるからです。
人は、気分が悪い状態で「心に余裕をもって寛大に」や、「じっくりと相手の要求に向き合う」なんてことはできません。
自分の精神状態が安定していて、気分が良い状態でやっと、相手に対して寛大にもなれるし、相手の要求に冷静に対応することができます。
「5歳の子どもってこんなもんだよね」「この行動は、成長した証だな」「この言葉は、つまりは不安なんだな」なんて、自分に余裕がないと思えません。
対応に正解なんてものはないでしょうけれど、それでもある程度こんな風に対応したいという気持ちがあるのであれば、まず何より大切なのは、お母さん自身の状態が良いことなんですね。
そして、お母さんの気分は必ず子どもに伝わります。同じセリフ、同じ対応であっても、それを発信するお母さんの気分が良いのと悪いのとでは、受け取る印象が全く変わってきます。
それは、表情や声色や空気によって子どもに伝わるからです。
苛立つ気持ちを抱えながら見守るのと、穏やかな気持ちで見守るのとは、形は同じでも伝わるものが違います。
そして、どちらの気分で過ごすかということで、お母さん自身の人生も大きく変わってきます。
幸せ気分で子育てを
では、どうすれば、わがままな5歳の子どもを目の前にして、気分が良い状態をつくっていくことができるのでしょうか。
実は私たちは、気分が悪くなっているとき、必ず、自分の気分が悪くなるようなものの捉え方をしていたり、気分が悪くなるような所ばかりに目がいってしまっています。
例えば、子どもが「朝起きる時、着替える時、夜のお風呂あがりの着替え、歯磨き、全てにおいてだらだらしている」と思っていると、気分が悪くなりますね。
しかしこの「だらだらして」という言葉を、「ゆっくりと丁寧に」という言葉に変えてみるとどうでしょうか。
きっと、同じスピードであっても、受ける印象は全く変わってくると思います。
「いや、ゆっくり丁寧に、ではなくてあの子はダラダラしている!」と思うかもしれませんが、実は私たちは、自分の思い込みによって目の前の出来事を捉えているものなんです。
同じ出来事に対して、それのどこを見るか、見たところに対してどう感じるか、どう捉えるかは人によって違います。
例えば私は、結婚式の日が大雨で、まるで嵐のようでした。
これを、「天気に恵まれない」と捉えることも出来れば、「雨降って地固まる」と捉えることもできるんです。
ちなみに私は、「ネタが豊富な結婚式」だと思いました。
もちろん、どう感じる方が良いとか、正しいなんてものはありません。
ただ、一つの出来事に対する感じ方や捉え方はじつはたくさんあって、どれを選ぶかはその人の自由なんですね。
そしてこの、物事に対する捉え方、見方によって、同じ出来事を前にしてもわたしたちの気分は全然ちがうものになったりします。
だからこそ、もし今気分が悪いなぁと感じているのであれば、それは自分の気分が悪くなるような捉え方や、ものの見方をしている可能性が高いんですね。
それが悪いことだと言っているのではありません。
ただ、物事にはすべてに良い面と悪い面というのが必ずあって、そのどちらに注目するかによって、私たちの気分は左右されやすいということなんです。
どちらの面を見ることが正しい、間違っているとかは絶対にないですし、物事にどんな意味づけをするかは、それを捉える人の自由です。
しかし私たちは、よほど意識しない限りは、無意識に気分が悪くなる面を見てしまいがちです。
つまり必ず良い面はあるのだけれど、それは見ようとしなければなかなか見えてこないということなんですね。
しかし、見ようとすれば見えてくるものです。
ある程度心に余裕をもてている人は、大変な毎日の中にも何かしらの良い面を感じ取っていることが多いんですね。
同じ事態からでも、そのものの良い面を見ることで、自分で自分を満たし、心に余裕を生みだしているんです。
良い面を見たところで、目の前の出来事が急にキラキラと輝くわけではないかもしれません。
子どもの反抗やわがままが、急に愛おしくなるわけでもないかもしれません。
だけど、悪い面ばかりを見てイライラしていた頃よりは、少し冷静な目で見られるようになれるかもしれません。
「今までずっと、だらだらして困らせないで!と思っていたけど、この子はただおっとりとした性格なだけで、そういえばいつも丁寧なところがあるなぁ。」という具合に。
だからといって、じゃあすぐに完璧な対応が出来るようになるかと言えば、そんなことはないかもしません。
だけど、あなたの心からほんの少しでもイライラが少なくなるのであれば、それは小さな収穫ではないでしょうか。
小さな収穫を続けていけば、いつかは自然と笑顔になれたり、楽に対応ができるようになっていたりするのではないでしょうか。
物事の良い面を見てみるという、ほんの小さな変化は、あなたの新しい「物事の捉え方、見方」を作っていくと思います。
どんな気分が正解なんてものはないけれど、どんな気分で生きていきたいのかというものはあると思います。
気分良く生きていきたいのか。それとも、イライラしながら生きていきたいのか。
それを作り出すことができるのは、私たち自身の捉え方、視点なんですね。
子どもの個性を見る
ここまで、子どもに対する対応方法や、その対応をするためにはまずはお母さん自身の状態が良いことが大切だというお話をしてきました。
子育てにおいて、絶対的に大切なことはあると思います。
例えば、「愛情をもって子どもと接すること」「愛を伝えること」。幼い子どもであれば「命の危険から身を守ってやること」
これは、最も根本的なことだと思います。誰しもが分かるような、誰しもが頷くようなことですよね。
しかし、子どもが問題行動を起こしたときに、どのように対応すればいいのか…ということに関してはどうでしょうか。
子どもがこのような態度をとってきた時、子どもがこんな問題行動を起こした時、親はどのように対応するべきか。
これについては、100通りの答えがありそうですね。
上では、参考になる対応としていくつか集めてみましたが、それはあくまでも沢山ある方法の中のひとつなんだと思います。
マニュアル通りにやって、効果がある場合もあれば、効果がない場合もあるでしょう。
なぜなら効果のある対応というものは、子ども一人ひとりによって違うものだろうと思うからです。
子どもがこういう態度をとったとき、ではなく、“この子が”こういう態度をとったとき、という風に考えて対処するのが大切だと思うのです。
子どもはそれぞれに気質や性格が違います。
その行動をどういう理由で起こしているかも、成長するスピードも、一人ひとりによって違います。
たとえ同じ家庭で、同じような環境で育った双子であったとしても、性格や性別や気質に違いがあり、対応の仕方は変わってくるはずです。
人材開発コンサルタントの菅原裕子さんの著書『子どもの心のコーチング』という本の中に、このようなことが書かれています。
「あなたは、自分の子どものことをどのくらい知っていますか?
考え方や行動の傾向、動機づけられる要素、好きなことや嫌いなことなど、どのくらいわかっているでしょう。
人は、その人なりの気質をもって生まれてくるようです。その気質は、考え方や行動などにいろいろな形で表れてきます。
子どもをよく観察しましょう。そして、子どもの基本的な気質を理解したうえで、接していくことが大切です。
子どものスピードを例にあげてみましょう。
あなたのお子さんはまわりの人、出来事や物に早い反応を示す子ですか。大人の動きを先へと読んで、欲しい物を手に入れようと速い行動を起こす子ですか。片づけるべきことをどんどん片づけるタイプの子ですか。
それとも、どちらかというとおっとりと構えて、まわりがどう動こうがまるで興味をもっていないかのように泰然としていますか。どちらかというと反応は遅く、行動もゆっくりな子ですか。
スピードの速い親が、やはりスピードの速い子をもてば、あまり違和感を持つことなく過ごすことができるでしょう。
ところが、スピードのゆっくりな子をもったらどうでしょう。きっと親は、その子の遅さにイライラして、「早く、早く」を連発するのではないでしょうか。
ところが、ゆっくりな子にしてみれば、わざと遅くしているわけではないのですから、「早く、早く」と言われても、それは自分をけしかけ攻めたてる声にしか聞こえません。
反対に、ゆっくりの親がスピードの速い子どもをもったらどうでしょう。何かにつけて、落ち着きがなく、ウロウロ、シャカシャカまわりを動かれると、「ちょっとはじっとしてなさい」と叱ることが増えます。
ご飯を食べていてもじっとしていることが難しく、そのたびごとに「何してるの!」と声を荒げます。
でも、もともと速い子にとってはそれが自然な動きなんです。—(中略)—
子どもはみな違います。私たち大人がそうであるように、子どもたちも一人一人個性的です。
お子さんを観察してみてください。そして彼らをよく知りましょう。
子どもが、それぞれ違う気質をもって生まれてきていることに気づくことで、その子に合った対応があることを学びましょう。」
参考になる対応方法や対処法はいろいろありますが、マニュアルのように完璧なものは、やはりないんですね。
きちんと考えておられる方ほど、しっかり正しく対応しないといけないと思って、逆に心が疲れてしまうこともあるかと思います。
しかし子どもにとって一番大切なのは、「自分はありのままで愛されている」という実感だと思います。それが自己肯定感につながり、他者を信頼する土台になるんですね。
それは、マニュアルのようなやり方からではなく、やはり親の本心から溢れ出てきてこそ伝わるものだと思います。
しかし私たちは、自分自身が幸せでいられないとき、その愛情を溢れされる余裕がなくなってしまうものです。
たとえ心では「かわいい我が子」と思っていても、頭では「子どもだから仕方がない」と分かっていても、心に余裕がなくなるとその愛情は表にはなかなか出てきにくいものです。
だからこそ、子どもへの完璧な対応ではなく、まずは自分の心の状態をしっかりと幸せな状態にもっていくことから始めることが大切なんですね。
自分でつくっていく幸せな状態というのは、続けていればそれ自体が癖や習慣になっていきます。
だから、意識して「自分の気分が良い時間を増やしていく」ことや、「今日あった素晴らしいことに気付く」ことは、実はすごく大切なことなんです。
最初はうまく出来なかったり、つい忘れてイライラすることもあると思いますが、気がついた時にはどんどん実践してみてください。
そのうち、イライラしている時よりも、幸せな気分の時の方が多くなってくると思います。
その時、あなたからはたくさんの愛情が溢れていることと思います。
まずは自分の人生からしっかりと満たして、あなたが自然と笑顔になれるような毎日を過ごせることを応援しております。
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まさに私自身の日々を書き表している、と思い頷きながら読ませていただきました。
母親自身の心が健康でないと、こどものあれこれの受け止め方が変わってしまう。
私にとって、心の健康は睡眠イコールなので、新生児もいる中なかなか難しいのですが、工夫して確保していきたいと思います。
また、あれやこれやと口出ししてきて心をかき乱す自分の母親にも読ませたいと思いました。
かほまま様
コメントありがとうございます(^_^)
睡眠、本当に大切ですよね(>_< )すごく分かります! 新生児のお子さんのお世話があると、睡眠確保はかなり難しいとは思いますが、なんとか睡眠時間を確保しながら頑張りましょうね!(>_<)育児で忙しく疲れている中、記事を読んで下さり、またコメントまで頂きありがとうございました! お母様にも気持ちがご理解いただけるといいですね^_^勝手ではありますが、快く読んで頂けると嬉しく思います。